2020年初頭から始まったコロナ禍、新型コロナウイルス自体はまだまだ未知のウイルスではあるが本質的には風邪ウイルスの一種、致死性はかなり低い。
しかしそんなウイルスにより現在世界経済はめちゃめちゃになっている、車業界も例外ではない。
そんな中去年のカルロスゴーンの一件から話題の日産、近々傾くんじゃないか、最悪倒産するんじゃないか説。
そんな日産についてぼくが思うことを書いていく。
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新型コロナウイルスはマジで経済をめちゃくちゃにした
新型コロナウイルスもといCOVID-19はご存じの通り世界経済をめちゃくちゃにした。
どんだけめちゃくちゃにしたかというとアメリカのGDPが昨年比で30%減、これがどんだけ酷いかというと例えばリーマンショック時は8%減、マジでヤバイ。
日本もGDPは昨年比で27%減、戦後最大の落ち込みらしい、マジでヤバイ。
日本に関しては、ついこの間辞任表明出しちゃったけど安倍総理がいろんなことやって、頑張ってGDPを上げていたけどそれがすべて水の泡と化したほどである。
世界各国の経済が同じように落ち込んでる現実、たかが1000人に1人死ぬかどうかくらいのウイルスでこんなことになるなんて誰が思ったか。
なんならコロナ以前も景気が悪いとか言われてはいたが、それは間違いで金融バブルと言われるくらい景気はそこそこ右肩上がりであった。
そんな感じでさあこの調子で長い目で見て頑張るんだって感じだったのにたかだか風邪とそんなに変わらないウイルスでこんなことになってしまった。
業界単位で見てもひどいものではある、特に観光業は昨年比で90%減、そりゃあGoToキャンペーンやりますよね。
飛行機なんかもひどい、ANAは四半期決算の評価は過去最悪としている。
話が脱線してしまったので車の話に戻す、ここから日本車メーカーの話。
トヨタすら減収、日産はヤバイ
夏になり日本車メーカー各社の第一四半期決算の結果が出そろった。損益だけの記述であるが以下の通り
- トヨタ⇒1588億円
- ホンダ⇒808億円
- 日産⇒2856億円
- 三菱⇒1761億円
- マツダ⇒666億円
- スバル⇒77億円
- スズキ⇒18億円
- ダイハツ⇒54億円
黒が黒字、赤が赤字、自動車メーカー各社ほぼ赤字なんて例年では考えられない、スズキ、ダイハツは何とか黒字なだけでコロナの特別損失を考えると赤字らしく黒字なのはまさかのトヨタのみ。
トヨタは世界一の自動車メーカーの威厳を保った形であり通期予測も5000億円の黒字と考えておりさすがといった印象。
ここでぼくがというかほとんどの人が注目するのは日産の桁違いな赤字、三菱は現在日産の子会社なので2社合計では4617億円の赤字、やばい。
日産は昨年度の決算の結果も凄惨たるもので6000億超えの赤字であった。
今年の通期予測も6000億の赤字を予想、三菱も含めると1兆を超える予測、日産にとっては予断を許さない現状。
日本の自動車メーカーではトヨタと日産の二台巨頭と呼ばれたほどの日産がどうしてこうなってしまったのか。
ゴーンだけが悪いってわけじゃないけど大体ゴーンが悪い
ご存知のとおり日産は1999年に倒産しかけました、ルノーに助けてもらい何とかなりましたが建て直しのためにカルロスゴーンが経営を取り仕切ることに。
カルロスゴーンによって日産はいろんな車種を作って拡大路線を進めた、今まで高級車かスポーツカーかみたいなところがあった日産にとってはラインナップがかなり増えたため車も売れやすくなった。
さらに部品サプライヤーのコスト削減も行ったため低コストで車を作れるようになった、もちろんリストラもした、工場も閉鎖した。
結果日産はV字回復、スカイラインは変な形になったり、シーマもこれ高級車か?って感じの車になったけどカルロスゴーンは日本中ないしは世界中から多大な評価を受けた。倒産しかけていた大企業を立て直したんだし当然っちゃ当然。
日産は2015年に利益のピークを迎え、完全復活。やったね、カルロスゴーン万歳。
…と終わるわけではなかった、カルロスゴーンがやったのはあくまで短期的成長戦略、中々フルモデルチェンジが行われない車、ディーラーでの値下げによる薄利多売、燃費偽装で潰れかけた三菱の筆頭株主になる謎投資。
フルモデルチェンジが行われないから買い替えたくても買い替えれない、仕方ないからほかのメーカーに買い替え(主にトヨタ)、新車販売の時に値下げしてるからリセールが悪い、リセールが悪いと中古車価格も下がるのでブランドイメージに傷がつく。
昔のマツダにもいえるんだけど新車の値下げってやっちゃだめなんだよね、安く新車を買う→買い替えるとき下取りが安い→予算不足でまた安く新車を買う→下取りが安い…っていう負のスパイラルに陥る。
だから今マツダはブランドイメージ向上のために頑張ってる、多少の赤字も未来への先行投資という形、うまくいってほしい。
そんな感じで日産のブランドイメージが少々下がっていたが、だからといって日本で2番目の自動車メーカー、なんだかんだうまくやるだろうとは思っていた。
しかし、2017年無資格検査員問題の浮上、ほかのメーカーの名前も挙がったが矢面に立たされるのは一番最初のメーカー、ブランドイメージは急速に落ちていくことに。
そこに加えて次の年にはカルロスゴーンの逮捕、日産としては膿を出したかったんだろうが、ルノーを敵に回すことになりなんなら日本とフランスの間に溝ができかねない事件であり日産としてはどう転んでも最悪な状況。
そしてたいした改革もできないまま2019年度通期決算では先延ばしにしたものが数字として現れる結果となる。
結局カルロスゴーンの打ち立てたリバイバルプランは一時しのぎにしかならなかった、日産は日産自身でなんとかしなきゃいけなかったのにできなかった結果がでてしまった形。
2020年になり新型コロナウイルスのダメ押しを喰らいもう予断を許さない状況。
大企業なので赤字を補填できる余剰資金と銀行への融資枠もあるので一時期の東芝みたいにすぐにすぐという状況ではないけど何か策を講じないと5年後はヤバイ。
意欲的に新型車を投入、しかし微妙
日産は自動車メーカー、とにかく車が売れないといけない。
しかし今のところ日本ではノートしか売れてない状況、海外の事情は把握してないが数字を見る限りでは海外でも売れていない。
先日キックスが新型車として投入された、トヨタのCH-R、ホンダのヴェゼル、マツダのCX-3の対抗車種という位置づけ。
e-power搭載で値段もそこそこでかなりいいんじゃないかって思うが問題は2グレードしかないしそのグレードも色の塗分けだけだから実質1グレード。
他メーカーで言えば最上級グレードしかない位置づけ、たしかに廉価グレードを作らないって考えもブランドイメージ復活と利益率を考えると分からんこともないけどこれでは日産がいいって人しか買わない。
e-powerはたしかに独創性があるがそれをわざわざ選ぶ人は日産だから買うって人、これでは結局他メーカーも視野に入れている人を囲い込めない。
しかもこのキックスは日本工場生産ではなくタイ工場生産、ブランドイメージ向上も失敗してるし納車も遅い。
6月に発表されたがそこで注文しても納車は2021年になってから、長い、長すぎる。
初動は1万台受注とかなりいい結果となったが果たしてこれが続くかと言われるとおそらく続かない、納車が遅いので市場評価も遅くなる。
次の新型車としてアリアを準備してるがコンセプトはかなりいい、EVのSUV、対抗としてはテスラだろう。
リーフで培ったEV技術で今テスラが占有しているEV市場に風穴を開ければ日産にも未来が見えてくる。
ただ問題はトヨタだ、あのトヨタが今のEV需要を傍観してるだけなはずがない、HV投資が数年前からプラスに転じている以上大資金力を用いてEV開発に着手しているに違いない。
じゃあもう日産はどうすればいいんだって感じではあるが、今のトヨタ最強の日本市場を作ってしまったのは申し訳ないが日産である。
カルロスゴーン体制で巻き返しを図っていた20年間でトヨタは敵無しの怪物になってしまった。
だからこそトヨタにないもので勝負するしかなく、例えばホンダは軽自動車、コンパクトミニバンの質の良さ、マツダはディーゼルとデザイン、スバルは圧倒的な安全性、スズキは安さという感じで特色を出しつつ勝負をしている。
今の日産は何がある、消費者観点から見ればEV技術が思いつくがそこをどう売り出していくか問題である。
このままでは本当に倒産してしまう、倒産はせずともルノーの完全子会社化してしまい日産の名前自体も残るのかどうかというところ。
車好きからすればスカイラインやフェアレディZなど数々の名車を生み出してきた、子供のころに夢を見せてくれた思い入れのあるメーカーである。
ぜひとも会社一丸となってまた栄光を取り戻してほしいと願っている。
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